2020/06/01 周期 1 の関数のフーリエ級数展開

本日のお題

次の関数のフーリエ級数展開を教えてください。 \[f(x) = 1 - \left|\,2x\,\right|\ \left(-\frac{1}{2} \leqq x < \frac{1}{2}\right)\ ,\quad f(x + 1) = f(x)\]

承知しました

フーリエ級数展開は,周期 \(2\pi\) の関数から始めるというのが常道でして,ここまではまぁスンナリいくのですね。ところが,周期 \(T\)\(2L\) などとなった瞬間に式が覚えられない・・・となった記憶があります。というか,今となっては周期 \(2\pi\) だって怪しい f^^;
この辺りのことについては,本サイトの「フーリエ解析に係る備忘録」に書いてあるので, 第4回 周期 \(T\) の関数の実フーリエ級数 をご覧いただきたいと思います。

周期 \(T\) の関数については,次のことが成り立ちます。

周期 \(T\) の関数の実フーリエ級数

\[\begin{array}{l} \displaystyle f(x) = \frac{a_0}{2} + \sum_{k = 1}^{\infty}\left(a_k\cos\frac{2\pi k}{T}\,x + b_k\sin\frac{2\pi k}{T}x\right) \\ \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a_k = \frac{2}{T}\int_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)\cos\frac{2\pi k}{T}x\,dx \quad (\ k = 0,\ 1,\ 2,\ \cdots\ )\\ \displaystyle b_k = \frac{2}{T}\int_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)\sin\frac{2\pi k}{T}x\,dx \quad (\ k = 1,\ 2,\ 3,\ \cdots\ ) \end{array} \right. \end{array}\]

さて,このことが確認できましたら,次には,いつものことながら関数 \(f(x)\) がどのような関数であるかを見ていきます。

\(f(x)\) の絶対値を外して考えましょう。\(\displaystyle -\frac{1}{2} \leqq x \leqq 0\) の区間では \(f(x) = 1 + 2x\) であり,\(\displaystyle 0 \leqq x < \frac{1}{2}\) の区間では \(f(x) = 1 - 2x\) となります。したがって,\(f(x)\)\(\displaystyle -\frac{1}{2} \leqq x < \frac{1}{2}\) におけるグラフは下図のようになります。

\(x\)

\(y\)

\(1\)

\(-\displaystyle \frac{1}{2}\)

\(\displaystyle \frac{1}{2}\)

さらに,\(f(x + 1) = f(x)\) から,周期が \(1\) であることを考慮すると,\(f(x)\) のグラフは下図のようになります。

\(x\)

\(y\)

\(1\)

\(-\displaystyle \frac{1}{2}\)

\(\displaystyle \frac{1}{2}\)

グラフを見れば偶関数であり,\(\sin\) の係数がすべて \(0\) になるので,\(\cos\) の係数,すなわち \(a_k\) を求めさえすれば良いことが分かります。それでは,\(a_k\) を求めていきましょう。勿論, \(a_0\) は別扱いですよ。

\[\begin{eqnarray} a_0 &=& \frac{2}{1}\int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}} \left(1 - \left|\,2x\,\right|\right)\,dx \\ &=& \textcolor{red}{4 \int_0^{\frac{1}{2}}\left(1 - 2x\right)\,dx} \\ &=& 4 \Big[x - x^2\Big]_0^{\frac{1}{2}} \\[4px] &=& 4 \left(\frac{1}{2} - \frac{1}{4}\right) \\ &=& 1 \end{eqnarray}\]

もっとも,これは,上図の赤い三角形の面積の2倍ですから,積分するまでもなく \(1\) であることは見た瞬間に分かります。まぁ,練習だと思ってください。特に,偶関数の性質を使っていることに注意しておいてくださいね。

続いて,\(k \geqq 1\) の場合です。\(a_0\) と同様に偶関数の性質を使いますし,積分の計算では部分積分を使いますよぉ。

\[\begin{eqnarray} a_k &=& \frac{2}{1}\int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}}\left(1 - \left|\,2x\,\right|\right)\cos 2\pi k x\,dx \\ &=& \textcolor{red}{4 \int_0^{\frac{1}{2}} \left(1 - 2x\right)\cos 2\pi k x \,dx} \\ &=& \textcolor{blue}{4 \int_0^{\frac{1}{2}} \left(1 - 2x\right)\left(\frac{\sin 2\pi k x}{2\pi k}\right)'dx} \\ &=& \textcolor{blue}{4 \left\{\left[-\frac{(1-2x)\sin 2\pi k x}{2\pi k}\right]_0^{\frac{1}{2}} - \int_0^{\frac{1}{2}}(1 - 2x)'\frac{\sin 2\pi k x}{2\pi k}\,dx\right\}} \\ &=& \frac{4}{\pi k}\int_0^{\frac{1}{2}}\sin 2\pi k x \,dx \\ &=& \frac{2}{\pi^2 k^2}\Big[-\cos 2\pi k x \,\Big]_0^{\frac{1}{2}} \\ &=& \frac{2}{\pi^2 k^2}\left(1 - \cos \pi k\right) \\ &=& \textcolor{green}{\frac{2}{\pi^2 k^2}\left\{1 - (-1)^k\right\}} \end{eqnarray}\]

最後の行の変形は,\(\cos\pi,\ \cos 2\pi,\ \cos 3\pi,\ \cdots\)\(-1\)\(1\) という値を交互にとることに注意してください。以上から \[f(x) = \frac{1}{2} + \frac{2}{\pi^2}\sum_{k = 1}^{\infty}\frac{1 - (-1)^k}{k^2}\cos 2\pi k x\] となります。以上で終了ですが,項を書き並べる方法でも記述しておきましょう。

\[\displaystyle f(x) = \frac{1}{2} + \frac{4}{\pi^2}\left(\cos 2\pi x + \frac{\cos 6\pi x}{9} + \frac{\cos 10\pi x}{25} + \frac{\cos 14\pi x}{49} + \cdots\right)\]

折角ですから,項が増えるにしたがってグラフがどのように変化するかを見ておきましょう

\(x\)

\(y\)

\(1\)

\(-\displaystyle \frac{1}{2}\)

\(\displaystyle \frac{1}{2}\)

へ~! 驚くほど収束が早いですねぇ!
上のスライダーは,\(\cos\) の部分の項数を \(10\) まで増やしただけなのです
何にしても,ミッション完了!

Last modified: Tuesday, 18 May 2021, 8:04 AM