2019/02/21 偏心衝突

本日のお題

物体 \(\mbox{M}\) は質量が \(M\) の錘であり,物体 \(\mbox{m}\) は質量 \(m\) の小さな錘2個を長さ \(l\) の軽い棒でつないだものである。物体 \(\mbox{m}\) が滑らかな水平面上に静止しているところに,物体 \(\mbox{M}\) が速さ \(v_0\)\(\mbox{m}\) の棒に垂直な方向から滑ってきて,\(\mbox{m}\) の錘のうちの1個と弾性衝突した。衝突直後の錘の速度は錘 \(\mbox{M}\) の速度と同一直線上にあるとして,衝突後の物体 \(\mbox{M}\)\(\mbox{m}\) がどのような運動をするかを説明せよ。

\(v_0\)

\(\mbox{M}\)

\(\mbox{m}\)

この問いの考え方を教えてください。

ん~ん!! 少々難しいですね,数学の教員にとっては (ToT) 問題文からどのような運動になるかが,そもそも分かりません。分かりませんが・・・多分こ~かな~というところを仮定して考えたいと思います。

  • 物体 \(\mbox{M}\) は,衝突前の運動と同じ向きの等速運動を続ける。
  • 物体 \(\mbox{m}\) は,重心が衝突前の \(\mbox{M}\) の運動と同じ方向で等速運動をしながら,重心を中心として回転運動をする。

この仮説が正しいければ,求めるべきは衝突後の「物体 \(\mbox{M}\) の速度」「物体 \(\mbox{m}\) の重心の速度」「物体 \(\mbox{m}\) の回転の角速度」です。そこで,それぞれを \(v_1\)\(v_2\)\(\omega\) とします。

まず,衝突の前後で運動量が保存されます。 \[\begin{eqnarray} && M v_0 = M v_1 + 2m v_2 \\[4px] ∴\quad && M(v_0 - v_1) = 2mv_2 \tag{1} \end{eqnarray}\] 次に,弾性衝突であるという条件から \[\begin{eqnarray} && \frac{v_0}{\displaystyle v_2 + \frac{l}{2}\cdot\omega - v_1} = 1 \\[2px] ∴\quad && v_0 = v_2 + \frac{\omega l}{2} - v_1 \\[2px] ∴\quad && v_0 + v_1 = v_2 + \frac{\omega l}{2}\tag{2} \end{eqnarray}\] これは,錘 \(\mbox{M}\) と物体 \(\mbox{m}\) のうち衝突する錘(これを \(\mbox{m}_1\) と書きます)との間の相対速度を,衝突の前後で比べています。物体 \(\mbox{m}\) は速度 \(v_2\) で並進運動をしながら角速度 \(\omega\) の回転運動をしますから,衝突直後の錘 \(\mbox{m}_1\) の速度は \(\displaystyle v_2 + \frac{l}{2}\cdot \omega\) です。

さらに,弾性衝突ですから衝突の前後で運動エネルギーが保存されます。 \[\begin{eqnarray} && \frac{1}{2}Mv_0\!^2 = \frac{1}{2}Mv_1\!^2 + \frac{1}{2}(2m)v_2\!^2 + \frac{1}{2}\cdot\frac{1}{2}ml^2\cdot\omega^2 \\[2px] ∴\quad && M(v_0\!^2 - v_1\!^2) = 2mv_2\!^2 + \frac{1}{2}m(\omega l)^2 \\[2px] ∴\quad && M(v_0 - v_1)(v_0 + v_1) = 2mv_2\!^2 + \frac{1}{2}m(\omega l)^2 \tag{3} \end{eqnarray}\] 運動エネルギーには物体 \(\mbox{m}\) の回転エネルギーが含まれるので,物体 \(\mbox{m}\) の慣性モーメントが \(\displaystyle m \cdot \left(\frac{l}{2}\right)^2 \cdot 2 = \frac{1}{2}ml^2\) であることを先に求めておく必要があります。

\((1)\)\((2)\)\((3)\) に代入します。 \[\begin{eqnarray} & 2mv_2\!^2 + mv_2\omega l = 2mv_2\!^2 + \frac{1}{2}m(\omega l)^2 & \\[2px] & v_2\omega l = \frac{1}{2}(\omega l)^2 & \\[2px] & ∴\quad\omega l = 2v_2 & \tag{4} \end{eqnarray}\] \((4)\)\((2)\) に代入します。 \[v_0 + v_1 = 2v_2 \tag{5}\] \((1)\)\((5)\) から \[v_1 = \frac{M - m}{M + m}\,v_0\ ,\quad v_2 = \frac{M}{M + m}\,v_0\] さらに \((4)\) から \(\displaystyle \omega = \frac{2M}{l(M + n)}\,v_0\) を得ます。

以上から \(\mbox{M}\) は初めの運動と同じ方向に速さ \(\displaystyle \frac{M - m}{M + m}\,v_0\) の等速運動をし,\(\mbox{m}\) は重心を中心とした角速度 \(\displaystyle \frac{2M}{l(M + m)}\,v_0\) の回転運動をしながら,\(\mbox{M}\) の運動と同じ向きに速さ \(\displaystyle \frac{M}{M - m}\,v_0\) で等速の並進運動をします。

ん~ん,自信はありませんが f^^; まっ!きれいな式にまとまったので・・・イイんじゃないかなぁ

Last modified: Friday, 5 March 2021, 5:28 PM