2020/02/20 惑星の運動

本日のお題

質量 \(m\) の質点の平面運動を極座標 \((r,\ \theta)\) で記述する場合に,次の問いに答えよ。

1 質点の運動エネルギーは \(\displaystyle K = \frac{m}{2}\left(\dot{r}^2 + r^2\dot{\theta}^2\right)\) で与えられることを導け。

2 質点の運動の面積速度が一定であるとして,\(K\) の右辺の第2項を \(r\) だけの関数に直すとどうなるか求めよ。

3 質点は,中心力を受けているとし,そのポテンシャルを \(U(r)\) とする。この中心力場内の運動における \(r\) の変化は,この \(U(r)\) と2の結果とを加えた有効ポテンシャル \(U_{\scriptsize{\mbox{eff}}}(r)\) の中の1次元の運動と同等であることを示せ。

この問いを解説してください。

ハイ,承知しました。とは言ったものの,この問題を数学の教員に質問するのぉ? 正直なところ,何をどのように答えれば良いか? 分かりませんねぇ。まぁ,何とか考えてみましょう。

1は問題ないですね。昨年の秋に書いた 極座標で表された運動の速度・加速度 を用いれば,簡単に導けます。
質点の位置ベクトルを \(\boldsymbol{P} = \left(r\cos\theta,\ r\sin\theta\right)\) として,\(r\) 方向と \(\theta\) 方向の単位ベクトルを \(\boldsymbol{e}_r\)\(\boldsymbol{e}_{\theta}\) とすると,質点の速度ベクトル \(\boldsymbol{v}\) は次にようになりました。

\(\displaystyle \boldsymbol{v} = \frac{d\boldsymbol{P}}{dt} = \dot{r}\boldsymbol{e}_r + r\dot{\theta}\boldsymbol{e}_{\theta}\)

よって,\(\left\|\boldsymbol{v}\right\|^2 = \dot{r}^2 + r^2\dot{\theta}^2\) となって,質点の運動エネルギーは

\(\displaystyle K = \frac{m}{2}\left(\dot{r}^2 + r^2\dot{\theta}^2\right)\)

です。

続いて2です。まず,面積速度です。質問したした学生の皆さん(実は結構沢山いました)が使っている教科書「力学(小出昭一郎)」を見ますと,面積速度 \(\displaystyle \frac{1}{2}r^2\dot{\theta}\) が導出されていましたので,これはそのまま使わせていただきます。これが一定ですから \(r^2\dot{\theta} = h\)\(h\) は定数)と書くことにします。すると

\(\displaystyle r^4\dot{\theta}^2 = h^2\quad ∴\quad r^2\dot{\theta}^2 = \frac{h^2}{r^2}\)

したがって \(\displaystyle K = \frac{m}{2}\left(\dot{r}^2 + \frac{h^2}{r^2}\right)\)\(h\) は定数)となります。

最後の3です。この質問をしたのは1年生の皆さんでして,「授業でポテンシャルはどのように説明されたのぉ?」と尋ねても,返ってくる回答が釈然としません。これが2年生以上でベクトル解析を学んでいれば,あるベクトル場 \(\boldsymbol{F}\) においてスカラー値関数 \(\varphi\) が存在して

\[\boldsymbol{F} = -\nabla\varphi\]

と書けるとき,\(\varphi\)\(\boldsymbol{F}\) のポテンシャルという \(-\!\!\!-\!\!\!-\) とでも説明できるのですが…
仕方なく「位置エネルギー」って考えて!! くらいで誤魔化して,有効ポテンシャルに関しては,私にも分からないので,問題文に書いてあるとおりに解釈することといたしました。そのように考えれば

\[\displaystyle U_{\scriptsize{\mbox{eff}}}(r) = U(r) + K = U(r) + \frac{m}{2}\left(\dot{r}^2 + \frac{h^2}{r^2}\right)\]

が成り立ちます。ここで注目すべきは,この式がすべて \(r\) に依存しているということ。そして,\(\displaystyle \frac{1}{2}m\dot{r}^2\) なる項が式の中に見えるということです。つまり

\[\displaystyle \frac{1}{2}m\dot{r}^2 = U_{\scriptsize{\mbox{eff}}}(r) - U(r) - \frac{mh^2}{2r^2}\]

が成り立っています。さて,この式をどのように解釈するか?ですね。\(\displaystyle \frac{1}{2}m\dot{r}^2\) は明らかに \(r\) 方向の運動エネルギーです。これが \(r\) のみの関数,すなわち,\(r\) のみに依存しているということです。となれば,質点の運動は,\(r\) 方向で考えれば,\(r\) にのみ依存する,つまり,\(r\) 方向の1次元の運動と同等であると見なすことができると言えるのではないでしょうか? \(-\!\!\!-\!\!\!-\) とまぁ,こんなところで勘弁してください。ミッションは終了したかどうか?定かではありません(笑)

Last modified: Friday, 5 March 2021, 5:26 PM