25 立体の体積

本時の目標

  1. 立体に対して,基準となる軸に垂直な平面による切断面の面積が分かれば,その立体の体積を求められることを理解する。
  2. 上のことを利用して,立体の体積を求めることができる。
  3. 回転体の体積を求めることができる。

平面上のある関数のグラフに囲まれた部分の面積に引き続き,立体の体積の求め方を覚えましょう。まずは手始めに,円錐の体積について考えようと思います。

円錐に限らず錐の体積が同じ底面と高さの柱の 三分の一 であることは,誰もがよく知っていることです。下図のような直円錐と,同じ底面と高さをもつ直円柱とについて,この関係を積分により示します。直円錐の体積は次のように求めます。底面と平行な等間隔の平面により,円錐を \(n\) 分割します。図は4分割です。ここで,\(n\) 分割した区間の下側の切断面(円)を底面として,高さ \(\displaystyle \frac{h}{n}\) の円柱を考え,これらの円柱の体積の和をとります。下図のように,頂点からの距離が \(x\) である平面による直円錐の切断面の面積を \(S(x)\) をで表せば,\(n\) 個の円柱の体積の和は\[\sum_{i = 1}^n S(x_i) \cdot \frac{h}{n}\quad \left(x_i = \frac{i}{n}\right) \tag{♩}\]となります。分割数を限りなく増やしていけば,その極限値 \(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \sum_{i = 1}^n S(x_i) \cdot \frac{h}{n}\) は直円錐の体積に一致します。さらに,(♩)は \(S(x)\) のリーマン和と考えることができますから,その極限は定積分の定義により \(\displaystyle \int_0^h S(x)\,dx\) です。以上により,

上記の直円錐の体積 \(\displaystyle = \int_{0}^h S(x)\,dx\)

\(\displaystyle S(x) = \pi r^2 \times \left(\frac{x}{h}\right)^2\) なので,直円錐の体積を \(V\) とおけば\[V \begin{array}[t]{l} \displaystyle = \int_0^h \pi r^2 \cdot \left(\frac{x}{h}\right)^2 \,dx \\ \displaystyle = \frac{\pi r^2}{h^2} \int_0^h x^2 \,dx \\ \displaystyle = \frac{\pi r^2}{h^2} \left[\frac{1}{3}x^3\right]_0^h \\ \displaystyle = \frac{1}{3} \pi r^2 h \end{array}\]

立体の体積の求め方

これで,円錐の体積が円柱の体積の 三分の一 になっていることが示されたのですが,以上の議論は,「任意の立体について,基準となる軸に対して軸と垂直な平面による切断面の面積が分かれば,その立体の体積を定積分により求めることができる。」ということも示唆しています。

\(a \leqq x \leqq b\) の範囲に存在する立体について,\(x\) 軸に垂直な平面による切断面の面積が \(S(x)\) であるとき,この立体の体積 \(V\) は次のように求めることができる。\[V = \int_a^b S(x)\,dx\]

ただし,ここでは一般の立体の体積は扱わず,回転体のみを扱うこととします。

回転体の体積

例題1

放物線 \(y = \sqrt{x}\)\(x\) 軸 及び直線 \(x = 2\) で囲まれた図形を \(x\) 軸の周りに一回転してできる立体の体積を求めましょう。

解 答

題意の立体を \(x\) 軸に垂直な平面で切断すると,その断面は 半径 \(\sqrt{x}\) の円になるので,断面積は \(\pi x\) になります。したがって,立体の体積 \(V\)\[V \begin{array}[t]{l} = \displaystyle \int_0^2 \pi x \,dx \\ \displaystyle = \pi \left[\frac{1}{2}x^2\right]_0^2 \\ \displaystyle = 2\pi \end{array}\]

回転体の体積

\[\displaystyle V = \pi \int_a^b \{f(x)\}^2 \,dx\]

課題1 次の立体の体積を求めましょう。

  1. 放物線 \(y = x^2\)\(x\) 軸 及び 直線 \(x = 1\) で囲まれた図形を \(x\) 軸の周りに一回転してできる立体。解答 隠す
  2. 正弦曲線 \(y = \sin x\hspace{0.5em}(0 \leqq x \leqq \pi)\)\(x\) 軸で囲まれた図形を \(x\) 軸の周りに一回転してできる立体。解答 隠す
  3. 曲線 \(y = \sqrt{1 - x^2}\) と \(x\) 軸で囲まれた図形を \(x\) 軸の周りに一回転してできる立体。解答 隠す
  4. 曲線 \(y = e^x\)\(x\) 軸 及び 2直線 \(x = 0\)\(x = 2\) で囲まれた図形を \(x\) 軸の周りに一回転してできる立体。解答 隠す
最終更新日時: 2021年 03月 5日(金曜日) 17:09