2次関数の最大・最小1
本日のお題
\(k\) を定数として,\(x\) の2次関数\[y = x^2 - 2kx + 1\tag{♪}\]について,次のことを考えます
(1) 最小値を求めましょう
(2) \(k\) の値が変化するとき,(1) で求めた最小値の最大値を求めましょう
(3) 区間 \(0 \leqq x \leqq 2\) における最大値と最小値を求めましょう
2次関数の最大値・最小値を考えるときには,まず頂点,そして定義域があるときには定義域の両端,これらがポイントになります
前回,頂点の動きを押さえたので,それを基に考えることにしましょう
\(k = \)
グラフの頂点の座標は \(\left(k,\ -k^2 + 1\right)\) ,その頂点は放物線 \(y = -x^2 + 1\) の上を動きました
したがって,このグラフを用いれば,お題の (1) と (2) は,たちどころに解けてしまいます
お題の (1) (2) の解答
(1) \((♪)\) は,\(x = k\) のとき 最小値 \(-k^2 + 1\) をとります
(2) \((1)\) で求めた最小値は,\(k = 0\) のとき 最大値 \(1\) をとります
定義域のあるときこそ,グラフがものを言う
ここまでは前回の復習のようなものですね,そうです,本題は (3) です
下には,画面に \(0 \leqq x \leqq 2\) の領域が図示されたグラフが表示されています
青く塗られた範囲で最大値と最小値を考えるということですよ
定義域があるときには,\(k\) の値によって,最大または最小となる場所が変わります
そのことは,グラフを動かせば理解できますね
ただし,最大値と最小値を同時に考えるのは混乱の元なので,1つずつ求めることにしましょう
それでは最大値から
\(k = \)
アプレット画面は,初期状態の \(k\) の値が \(1\) です
この状態ですと,区間の左端と右端,つまり \(x = 0\) のときと \(x = 2\) のときとが同じ値になっていて,この値が最大値です
つまり,\(x = 0\) と \(x = 2\) で最大値をとるということですね
\(x = 0\) または \(x = 2\) を代入すれば,最大値が \(1\) だと分かります
\(k > 1\) のとき
それでは,次は \(k\) の値を増やしていくので,\(\mbox{k}+\) をクリックしてみましょう
区間の左端つまり \(x = 0\) でグラフが最も高くなますね
\(x = 0\) で最大値をとるということです,最大値は \(1\) ですね
\(k < 1\) のとき
次は,\(k = 1\) から \(k\) の値を減らしていきましょう・・・ \(\mbox{k}-\) をクリックしてくだい
今度は,区間の右端つまり \(x = 2\) でグラフが最も高くなって,このとき最大値をとることが分かりますね
\(x = 2\) を代入すると,最大値は \(5 - 4k\)
以上のことをまとめましょう
最大値\(=\left\{\begin{array}[m]{cl} 5 - 4k & (k \leqq 1) \\ 1 & (k \geqq 1) \end{array} \right. \)
次に最小値です
\(k = \)
\(k\) の値を \(-1.0\) から増やしていきましょう
初めは,区間の左端つまり \(x = 0\) で最小となっていて,最小値は \(1\)
\(k\) の値が \(0\) を超えて,頂点が区間の中に入ってくると,頂点で最少となり,最小値は \(-k^2 + 1\) ですね
\(k\) の値が \(2\) を超えると,区間の右端つまり \(x = 2\) で最少,最小値は \(5 - 4k\) となります
最小値について,以上のことをまとめましょう
最小\(=\left\{\begin{array}{cl} 1 & (k \leqq 0) \\ -k^2 + 1 & (0 \leqq k \leqq 2) \\ 5 - 4k & (k \geqq 2) \end{array}\right.\)
練習問題
2次関数 \(f(x) = x^2 - 2kx + k + 2\) について,区間 \(0 \leqq x \leqq 1\) における
(1) 最大値を求めましょう
(2) 最小値を求めましょう