2次関数の最大・最小2
本日のお題
\(t\) を定数として,\(t\) の値が変化したときの,\(x\) の2次関数\[f(x) = x^2 - 2x + 1 \tag{1}\]の区間\[t \leqq x \leqq t + 2 \tag{2}\]における最大値と最小値を求めましょう
今日のお題は,2次関数 \(y = x^2 - 2kx + 1\) から少々離れます
2次関数の最大・最小問題と言えば,グラフが動く場合と同様に,定義域すなわち最大・最小を考える区間が動く場合も考えておきたいからです
私の感覚では,前回のグラフが動く問題の方が難しいと感じるのですが,高校生に話しを聞くと「区間が動く問いの方が難しい」という方が圧倒的に多いのです。
テストの結果を見ても,本日のお題のような問いの方ができていないように感じます
まっ!何はともあれやってみましょう
\(x\)
\(y\)
上の図は,関数 \(f(x) = x^2 - 2x + 1\) のグラフを表示していて,さらにスライダーをドラッグすると \(t\) の値が \(-2\) から \(2\) までの範囲で,区間 \[t \leqq x \leqq t + 2 \tag{2}\] が変化します
したがって,グレーで塗られた部分における最大値と最小値を考えることになりますね
\(t\) の値の初期状態は \(t = -2\) です
グラフを見たとおり,\(t = -2\) のときには,区間の左端で最大,右端で最少であると分かります

スライダーを右に動かして \(t\) の値を増やすと,\(t\) の値が \(-1\) を超えたところで,上図のように頂点が区間の中に入ってきます
この状況になると,最小値は \(0\ (x = 1)\) に変わります

スライダーをもう少し動かすと,今度は最大値が右端に変わり(上図),更に右に動かせば頂点は区間から外れます(下図)

それでは,ここまで見てきたことを参考にして,最大値と最小値にわけ,それぞれが \(k\) の値の変化に伴ってどのような値をとるかを書いていきましょう
最大値
左右の端の大きい方(正確には小さくない方)で最大値をとります
スライダーを動かすと分かるように,頂点が区間の丁度真ん中にくる \(t = 0\) のとき,区間の左端と右端で関数の値が一致します
ここを境にして,最大となる点が入れ替わるのですね
ですから
最大値\(=\left\{\begin{array}{ll} f(t) = (t - 1)^2 & (t \leqq 0) \\ f(t + 2) = (t + 1)^2 & (t \geqq 0) \end{array}\right.\)
最小値
最小値は,軸が区間の左に外れているか,区間の中に入っているか,区間の右に外れているか,の3通りで場合分けをしました
ですから
最小値\(=\left\{\begin{array}{ll} f(t + 2) = (t + 1)^2 & (t \leqq -1) \\ 0 & (-1 \leqq t \leqq 1) \\ f(t) = (t - 1)^2 & (t \geqq 1) \end{array}\right.\)
以上です ^^