本日のお題

\(k\) を定数として,\(x\) の2次関数\begin{equation}y = x^2 - 2kx + 1\end{equation}について,次のことを考えましょう

  1. \(x\) 軸と接するときの \(k\) の値を求め,さらにそのこときの接点の座標を求めましょう
  2. \(x\) 軸と2点で交わるときの 定数 \(k\) の値の範囲を求めましょう

ここでも,まず,グラフを動かして考えます

\(x\)

\(y\)

\(f(x) = x^2 - 2kx + 1\)

 \(k = \)  

おやおや,アプレットのグラフから解けてしまいますねぇ 皆さん,分かりましたか?

グラフが \(x\) 軸と接するは,\(k = 1\)\(k = -1\) のときです

\((1)\)\(k = 1\) を代入すると\begin{equation}y = x^2 - 2x + 1 = (x - 1)^2\end{equation}となるので,\(x\) 軸に接していることと接点の座標が \((1,\ 0)\) であることが分かってしまいます

\(k = -1\) の方を代入すれば\begin{equation}y = x^2 + 2x + 1 = (x + 1)^2\end{equation}となりますから,接点の座標は \((-1,\ 0)\) ですね

今,2次関数のグラフと2次方程式の解とを結びつけて考えました このことが大切なのです

次の2つは同じことを表しています

  • 2次関数 \(f(x) = ax^2 + bx + c\) のグラフが \(x\) 軸と接する
  • 2次方程式 \(ax^2 + bx + c = 0\) の解が重解をもつ

そして,接点の \(x\) 座標と方程式の重解とは一致します

さて,枠内の事柄は後ほど更に掘り下げて考えることとして,お題の後半を解いてしまいましょう

\((1)\) のグラフが \(x\) 軸と2点で交わるのは\begin{equation}k < -1 ,\quad 1 < k\end{equation}のときですね

さぁ,それでは,先ほどのことをもう少し掘り下げましょう

2次関数 \((1)\) の式は\begin{equation}y = (x - k)^2 - k^2 + 1\end{equation}と変形(平方完成)することができます

したがって,この放物線の頂点の座標は\begin{equation}(k,\ -k^2 + 1)\end{equation}です

放物線の頂点が \(x\) 軸の上に乗っているときが,放物線が \(x\) 軸に接しているときです

以上から,次のことが分かります \(\cdots\ (♪)\)

2次関数 \((1)\) のグラフが

\(x\) 軸と接する\(\ \Longleftrightarrow\ -k^2 + 1 = 0\)
\(x\) 軸と2点で交わる\(\ \Longleftrightarrow\ -k^2 + 1 < 0\)


ところで,2次方程式 \(x^2 - 2kx + 1 = 0\) の方から,この問題を見てみると・・・

放物線 \((1)\)\(x\) 軸との交点の \(x\) との交点の \(x\) 座標は,方程式\begin{equation}x^2 - 2kx + 1 = 0 \end{equation}

の実数解になっています

したがって,方程式 \((7)\) の実数解の個数と,グラフと \(x\) 軸との交点の個数とは一致します

\((3)\) の判別式は \begin{equation}D/4 = k^2 - 1\end{equation}となり

2次関数 \((*)\) のグラフが

\(x\) 軸と接する\(\ \Longleftrightarrow\ D/4 = 0 \ \Longleftrightarrow\ -k^2 + 1 = 0\)
\(x\) 軸と2点で交わる\(\ \Longleftrightarrow\ D/4 > 0 \Longleftrightarrow\ -k^2 + 1 < 0\)

となって,上の \((♪)\) の結果と一致します


つまり,次のことが言えますね

放物線・ \(x\) 軸の位置関係と判別式

2次関数 \(y = ax^2 + bx + c\) のグラフと \(x\) 軸との位置関係は,判別式 \begin{equation}D = b^2 - 4ac\end{equation} を用いて次のように分類できます

  • 2点を共有する \(\Longleftrightarrow\) \(D > 0\)
  • 接する \(\Longleftrightarrow\) \(D = 0\)
  • 共有点をもたない \(\Longleftrightarrow\) \(D < 0\)

練習問題

\(k\) を定数として,\(x\) の2次関数\begin{equation}y = x^2 - 2kx + k + 2\end{equation}について,次のことを考えましょう

  1. \(x\) 軸と接するときの \(k\) の値を求め,さらにそのこときの接点の座標を求めましょう
  2. \(x\) 軸と2点で交わるときの 定数 \(k\) の値の範囲を求めましょう

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最終更新日時: 2021年 07月 8日(木曜日) 08:40