本日のお題

\(\theta\)\(0° \leqq x \leqq 180°\) の範囲にあるとき,次の方程式・不等式を解きましょう

  1. \(2\sin \theta = 1\)
  2. \(2\cos^2 \theta + \cos\theta - 1 = 0\)
  3. \(2\sin^2 \theta - 1 < 0\)

三角比の定義

私が子どもの頃は,鋭角の三角比を中学校で習っていました

高校に入って,角が鈍角に拡張され,そして正弦定理や余弦定理に進むといったカリキュラムだったのです

それで,中学生のときに習った三角比がの定義は下のとおりでした

\begin{equation}\begin{array}{l} \displaystyle \sin\angle\mbox{ABC} = \frac{b}{c} \\ \displaystyle \cos\angle\mbox{ABC} = \frac{a}{c} \\ \displaystyle \tan\angle\mbox{ABC} = \frac{b}{a} \end{array}\end{equation} 直角三角形\(\mbox{ABC}\) において,三角比を求めたい角を左下,直角を右下において,筆記体の "s" "c" "t" を書く,なんて教わったものです・・・今や,中学生も高校生もアルファベットの筆記体を知らないので意味が分かりませんね

この定義,三角比や三角関数を初めて学習する者にとっては分かりやすいのですが,直角三角形がこの向きにおかれていないと三角比が分からない,という欠点もあります

ですから,中学生で三角比を完璧に覚えた生徒は,むしろ,高校で角を拡張していくときに戸惑ったという可笑しな現象もありました

だからと言って,最初から円を使った定義を出されても,何のことやらチンプンカンプンだったと思います

こういうところに,学ぶこと・教えることの難しさや奥深さを感じます

それでは,円を使った定義を示しましょう

単位円を使うやり方と半径 \(r\) の円を使うやり方があり,本質は変わらないものの,私は単位円が好みでして・・・笑

原点を中心とする単位円,つまり \(x^2 + y^2 = 1\) を考えます

\((1,\>0)\)\(\mbox{A}\) とし,単位円周上に点 \(\mbox{P}\,(x_0,\>y_0)\) をとって \(\angle\mbox{AOP} = \theta\) とすると \begin{equation}\begin{array}{l} \sin\theta = y_0 \\[2px] \cos\theta = y_0 \\[2px] \tan\theta = \displaystyle\frac{y_0}{x_0} \end{array}\end{equation} このことを,下の図で確認しましょう

\(\theta\) のスライダーを動かすと,\(\theta\) の値が5度刻みで変化し,点 \(\mbox{P}\) の座標(近似値)が表示されます

\(\theta\) のそれぞれの値に対して,\(\sin\theta\) と \(\cos\theta\) がどのように変わるかを見てみましょう

\(x\)

\(y\)

\(\theta\) :

特に,\(30°\) や \(45°\) などの角のとき,直角三角形の辺の比を使った定義と比較してください

もちろん,同じ意味なので・・・そのことを確認しましょう

三角方程式

三角比の意味が確認できたので,本日のお題,三角方程式・不等式を解いていきましょう

1. \(2\sin\theta = 1\)

変形して \(\sin\theta = \displaystyle\frac{1}{2}\)

\(\sin\theta\) は 点 \(\mbox{P}\) の \(y\) 座標なので,単位円と直線 \(y = \displaystyle\frac{1}{2}\) との交点を考えます

\(x\)

\(y\)

上の図では,スライダーを使って \(x\)軸と平行な直線を動かすことができます

この図から,\(0° \leqq\theta \leqq180°\) の範囲に解は2つあることが分かります \begin{equation}\theta = 30°,\quad 150°\end{equation} 分かりました?


2. \(2\cos^2 \theta + \cos\theta - 1 = 0\)

1. が解ければ,1次が2次になって,\(\sin\theta\) が \(\cos\theta\) に変わっただけだと気づきますね

因数分解をすれば解決します \begin{equation}\begin{array}{l} (2\cos\theta + 1)(\cos\theta - 1) = 0 \\ \mbox{∴}\quad \displaystyle \cos\theta = -\frac{1}{2},\>1\end{array}\end{equation}

図より,\(\theta = 0°,\>120°\)


三角不等式

次は不等式です

3. \(2\sin^2 \theta - 1 < 0\) \begin{equation}\left(\sqrt{2}\sin\theta - 1\right)\left(\sqrt{2}\sin\theta + 1\right) < 0\end{equation} \(0° \leqq \theta \leqq 180°\) より \(0 \leqq \sin\theta \leqq 1\) ですから \(0 \leqq\sin\theta \leqq\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2}\)

図より,\(0° \leqq \theta \leqq45°,\> 135° \leqq \theta \leqq180°\)

練習問題

三角比の定義が分かると,

\(90°\pm \theta\) や \(180° - \theta\)

の三角比を,\(\sin\theta,\>\cos\theta,\>\tan\theta\) で表すことは簡単にできます

下の図を使って,次のものを \(\sin\theta,\>\cos\theta,\>\tan\theta\) で表しましょう

1. \(\sin(90° - \theta),\ \cos(90° - \theta),\ \tan(90° - \theta)\)

2. \(\sin(90° + \theta),\ \cos(90° + \theta),\ \tan(90° + \theta)\)

3. \(\sin(180° - \theta),\ \cos(180° - \theta),\ \tan(180° - \theta)\)

\(x\)

\(y\)

解答 隠す

最終更新日時: 2023年 07月 4日(火曜日) 14:09