本日のお題

\(x\)\(y\) が,不等式 \[\begin{eqnarray} && x \geqq 0 \\[2px] && y \geqq 0 \\[2px] && 3x + 2y \leqq 7 \\[2px] && x + 2y \leqq 5 \end{eqnarray}\] を満たすとき,\(x + y\) の最大値と,最大値を与える \(x\)\(y\) の値を求めましょう。

題意の連立不等式 \((1)\)\((4)\) の領域は,下図のようになります

ここで \(x + y = k\) とおくと,この方程式は傾きが \(-1\)\(y\) 切片が \(k\) の直線を表します

\(k\) の値が変化したとき,直線 \(x + y = k\) が不等式の表す領域と共有点をもつための \(k\) の最大値は,直線が点 \((1,\ 2)\) を通るときであり,そのときの \(k\) の値は \(k = 3\) です

したがって,\(x + y\)\(x = 1\)\(y = 2\) のとき,最大値 \(3\) をとります

と,こんな感じになるのですけれど,問題はこれで何故最大値が求められるのか? ですね

私自身,高校入学直後に判別式を習ったとき,次のような問題に???となった記憶があります

実数 \(x\)\(y\) について,\(x^2 + 4y^2 = 4\) が成り立つとき,\(x + y\) のとり得る値の範囲を求めよ

解法の手順は複雑でないので,そのまま覚えて問いを解くことはできていましたが,何となく釈然としないもの感じていました

それが,いつの間にか,納得できるものになっていました
論理的にというより,感覚的に腑に落ちたのです
どちらの問いも根っこの考え方は同じだと言えます
ですから,このお題は,私にとって説明することがとても厄介なものに感じられます

そうは言いつつも,説明用のスライドを下に作りましたので,FWD ボタンをクリックしながらご覧ください

連立不等式 \((1)\)\((4)\) の領域をもう一度確認しましょう
この青色の四角形の周囲と内部です
\(x\)\(y\) が連立不等式を満たすとは,点 \((x,\ y)\) が領域の中にあるということです

どうでしょう? ご理解いただけましたでしょうか?

下の図を使って,直線 \(x + y = k\) を自分で動かしてみましょう
スライダーを動かすと,\(k\) の値が \(-1\) から \(4\) までの範囲で変化します

\(x\)

\(y\)

\(x + y\) の場合は,点 \((1,\ 2)\) で最大になりましたが,この直線の傾きが変われば最大値を与える \((x,\ y)\) も変わる可能性があります

\(ax + by\) の最大値・最小値を求めようとしたら,\(ax + by = k\) とおいて領域と共有点をもつ範囲を考えることになります

ですから,お題の条件であれば,最大値・最小値を与える \((x,\ y)\) は領域の四角形の頂点のいずれかであり,どの頂点で最大・最小となるかは直線 \(ax + by = k\) の傾きで決まる,ということを理解しておきましょう

最終更新日時: 2022年 04月 12日(火曜日) 11:24